お墓の引越し先を決める
お墓じまいの手続きでは、まず引越し先の決めることが重要です。お墓じまいの理由は人によってさまざまですが、共通して言えることは、遺骨の供養を継続できる場所を選ぶことです。
- 同じ霊園や墓地内への引越しは、最も手軽な方法です。しかし、既存の墓石を再利用できるか、また、追加費用がかかるかどうかなど、事前に確認しておきましょう。
- 別の霊園や墓地への引越しは、希望の場所や条件に合わせて選ぶことができます。しかし、墓石の移転や、改葬許可の取得など、手続きが煩雑になる場合もあります。
- 散骨・手元供養は、家族や親族で故人を偲びながら、自宅で供養する方法です。費用や手間がかからず、自由度が高いのが特徴です。
お墓じまいのコスト削減を重視する方は、合祀墓、合葬墓、散骨を検討するとよいでしょう。これらの管理費などが不要なため、継承者がいなくても安心です。
また、近年では、樹木葬、デジタル墓などの新しいタイプの永代供養墓も増えています。樹木葬は、遺骨を樹木の根元に埋葬するタイプの墓で、デジタル墓は、自然散骨と組み合わせて埋葬するときに作成するタイプの墓です。いずれも、費用が比較的抑えられる傾向にあります。
 
															遺骨の引越し先
お墓じまいの費用は、100万円以上かかると言われています。そのうち、お墓の撤去費用は手数料なども含めて節約が難しく、費用を抑えるためには、納骨先の選択が重要です。納骨先は多様化しており、樹木葬、納骨堂、合祀墓などが人気です。
- 合祀墓は、複数の遺骨を一緒に納骨する墓です。費用が安く、継承者がいない場合や、現墓地内でお墓じまいをしたい場合などに選ばれています。
- 樹木葬は、樹木の下などに遺骨を埋葬する墓です。自然に還りたい人や、お墓参りにあまり行けない人に人気があります。
- 納骨堂は、屋内にある墓です。管理が楽で、利便性が良いのが特徴です。
遺骨の引越し先を選ぶ際には、費用だけでなく、自分の希望や家族の状況も考慮することが大切です。
| お墓のタイプ | 費用相場 | 年間管理費 | 
|---|---|---|
| 自宅墓 | 
													数千円~50万円												 | 
													不要												 | 
| 散骨 | 
													5万~30万円												 | 
													不要												 | 
| 合祀墓 | 
													5万~30万円												 | 
													寺院などでまちまち
												 | 
| 樹木葬 | 
													20万~80万円												 | 
													必要・永代供養費化可												 | 
| 納骨堂 | 
													40万~100万円												 | 
													必要・永代供養費化可												 | 
| 一般墓 | 
													100万~350万円												 | 
													必要・永代供養費化可												 | 
経済的な納骨先
遺骨の引越し先のコストは、方法によって大きく異なります。比較的に安価なものとしては、樹木葬、合祀墓、合葬墓、散骨があります。
樹木葬は、自然葬の一種として人気が高まっていますが、費用は比較的高い傾向にあります。合祀墓・合葬墓は、費用を抑えることができる方法ですが、個人専用の場所ではなくなるというデメリットがあります。散骨は、費用は比較的抑えられる方法ですが、お墓参りの際に故人との一体感を感じにくいというデメリットがあります。デジタル墓は、費用は比較的安価な方法ですが、お墓参りや供養の形態が大きく変わるというデメリットがあります。
| 項目 | 樹木葬 | 合祀墓・合葬墓 | 散骨・デジタル墓 | 
| 複数のご遺骨を一緒に埋葬する | しない | する | (自然) | 
| 墓石を置く | 置く | 置かない | 置かない(作成可) | 
| 管理費 | 必要 | 不要な場合が多い | 不要 | 
| 法要などの費用 | 必要な場合と不要な場合がある | 不要 | 不要 | 
デジタルの活用
合祀墓・合葬墓・散骨のデメリットとして、納骨が個人専用の場所ではなくなることがあげられます。このデメリットを解決する方法として、デジタル墓の活用が注目されています。
デジタル墓とは、故人の情報をデジタルデータとして保存し、インターネット上で共有する方法です。故人の写真や人生史、お墓参りの報告などを共有することで、散骨・合墓・樹木葬であっても、故人とつながり、供養することができます。デジタル墓の活用は、近年デジタル化が進む中で、新たなお墓の形として注目されています。
*米国では「オンラインメモリアル」と呼ばれ、インターネット上のお墓(ネット墓)が有り急速に普及しました。(例: 想いでサイト、追悼サイトなど)
お墓じまいでトラブルを避けるには、親戚の同意を得て、その理由と行き先を事前に連絡することが大切です。
そのため、お墓じまいを検討する際には、親戚と十分に話し合い、同意を得るようにしましょう。
また、お墓じまいの理由と行き先を事前に連絡することで、親戚の理解と協力を得やすくなります。
 
															まとめ
近年、お墓事情は多様化しています。お墓じまいの際には、従来のお墓のほかに、合祀墓・散骨・合墓・宅墓・樹木葬など、さまざまな選択肢があります。これらの多様化は、お墓じまいの費用を削減する効果があります。また、個人のライフスタイルや価値観に合わせて、最適な納骨先を選ぶことができます。
しかし、多様化したお墓には、従来のお墓と異なるデメリットもあります。例えば、合祀墓や散骨では、故人が他人と一緒に埋葬されるため、故人への想いが薄れるという懸念があります。この懸念を補完するために、近年ではデジタル化(ネット墓)の活用が注目されています。
お墓じまいを検討する際には、これらの多様化した選択肢を理解し、自分や家族にとって最適な納骨先を選ぶことが大切です。
 
															 
															 
															


