最近では、有名人が亡った後に所属事務所などがインターネット上に「追悼サイト」を立ち上げるケースが多くなっています。2009年に亡ったアップル創業者のスティーブジョブズさん、国内でも野球の野村監督、俳優の三浦春馬さん、最近では料理家の高木ゑみさんなどがあります
著名人の葬送で、参列いただけない方への供養の機会をいただく手段として追悼サイトが生まれました。アップル創設者のスティーブジョブスさん、野球の野村監督、俳優の三浦春馬さん、料理家の高木ゑみさんなどが、お悔やみの機会を追悼サイトで設けました。

従来は新聞の「お悔み記事」や「死亡広告」を利用していましした。しかし、近年のインターネットやソーシャルメディアの普及で、お悔みメッセージを投稿できる参加型「お悔みサイト(追悼サイト)」に移行しています

お悔み記事と追悼サイトの違い

ウェブサイトに掲載される「お悔み記事」は、従来の新聞のデジタル版です。一方、「追悼サイト」は故人を供養する場で参加型です。最近は一般の方も、追悼サイトを作成することが多く、この場合は遺族によって作成されるか、遺族から提供された情報をもとにサイト作成会社が作成します。

追悼サイトの特長

  • 多くの方の供養が可能新聞発行日だけでなくいつでもどこでも供養が可能
  • 安い費用:新聞掲載料と比べ、無料版から作成可能
  • 自由な内容:文字数や写真枠などに制限されることなく掲載できる
  • 共有が可能:お悔みメッセージの投稿などで参加型でメッセージや写真を共有可能
  • 保存が出来る:デジタル化した思い出写真・ビデオ・メッセージを長期保存が可能

追悼サイトは、デジタル化した遺影、写真アルバム、動画、人生史などインターネット上の個人(故人)サイトを作成して閲覧可能にしています。加えて、お悔みメッセージ(弔辞に近い)や写真を、LINE、フェイスブック、電子メールなどで共有出来る参加型の機能が用意されています。

【追悼サイト】の作成方法

追悼サイトを一般の方が作成する場合は大きく2つの方法があります。これは一般的なウェブサイトの作成と同じく、1)ウェブサイト作成を専門業者に依頼、2)追悼サイト作成ツールを使用する、の2つです。

専門業者を使う

ホームページ制作会社に委託するため数十万円以上の制作費用と管理費(ドメイン・サーバーなど)がかかります。ただし、デザインや内容などを制作側の意図に合わせて作成することができます。有名人が亡くなった場合は、所属していた事務所がファン用に立ち上げる場合はこのパターンです。

専門業者のメリット

  • 自分(会社)の自由なサイトデザインで作成できる
  • ファンなどから寄せられたメッセージを自由に活用、管理できる
  • サイトを使い他の記念放送、行事などを自由に紹介できる

専門業者のデメリット

  • サイト作成、維持に費用がかかる(アクセスが多い場合は、システムがダウンしないようにインフラの強化費用が必要)
  • サイトのメンテナンス・アップデート(写真・ビデオなど)に追加費用が掛かる(例:ファンなどのメッセージやスパムなどの対応など)
  • 所属するマネージメント会社が維持費用を負担しているため比較的短い期間でサイトが閉じる可能性がある(野村監督の追悼サイトは2020年2月に開設され、2021年3月に残念ながら閉鎖されました)

追悼サイト作成ツールを使う

追悼サイト作成するツール (例: 想いでサイト) を使います。サイト制作費用は自作の場合はほとんどが無料です。また、作成を外部委託することも可能です。ソーシャルメディア(LINEやフェイスブック)、電子メールでの共有、一般閲覧を制限するセキュリティ設定など多機能化が進んでいます。

サイト作成ツールのメリット

  • サイト作成が簡単で安価。サイト維持に費用がかからない(大量アクセス対応システム導入済み)
  • 永代供養碑として長期間サイトを存続させることが可能(永代版で4万円程度、現時点で日米13年間継続)
  • メッセージだけでなく写真なども投稿共有できる。また必要に応じて認めたメンバーだけに閲覧を限定してプライバシーを守ることができる

 

サイト作成ツールのデメリット

  • ウェブサイトのデザイン自由度が制限される
  • ファンとの交流参加型のため、管理者により不適切なコメントを削除することはできるが、選択表示はできない(広告表示などは不可)
  • 特別なウェブサイトではないため、有名人であっても一般と同じで差別化が難しい

まとめ

近年では、一般の方々(個人)が下記の理由で活用されています。やっと国内でも、失礼のないネット上の供養の場と言えるようになってきました。

  • デジタル情報の保存ができる
    故人の思い出(写真アルバム、おもいでノート、人生史など)は、事情によってはその取り扱いに困り、そのまま放置されるか処分されることもありました。しかし、この追悼サイトで保存・管理できることによりスマホなどで先祖や故人を想い起こすことができます。
  • どこでも供養ができる
    コロナ禍の影響で法要に参加できなかった方には、身近な場所で供養をしたいという要望が増えています。その際に、先祖・故人のデジタル化した思い出や過去のお墓参りの写真を見ながら、お参りの言葉をスマホで伝え(メッセージ投稿)たりします。
  • 迷惑をかけない準備ができる
    終活の一つとして生前に自分で遺影やその他の写真、ビデオ、人生史などを選びご家族に残すことができます。これは、残された方が、あわあだしく葬儀の準備をする中で多くの写真から遺影写真を選ぶようなことがなく、負担が軽減されます。また、介護時などにご家族と会話をしながら準備を進めると、後世への素晴らしい思い出の遺産になるとともに、思い出を振り返る行為がリハビリにもなります。
  • 費用の低減ができる
    追悼サイトは、ネット墓として永代に使うことができます。このことは、お墓を持つという行為に選択肢を与えます。【ネット墓】は無料版から始めることができ、墓守・管理者が不要のため、樹木葬(約20万円~)納骨堂(約30万円~)合葬・合祀墓(約10万円~)などのお墓と一緒に選ばれる例も多くなっています

追悼サイトがスティーブジョブズさんや三浦春馬さんのような有名人・著名人のためと考えられた時代から、今では、誰もがデジタル化された故人の追悼の場を持てるようになりました。つまり、多様化する供養方法に、デジタル化加わったと言えるでしょう。

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