墓じまいガイド (2):法的手続きと費用削減のヒント(2024年版)

お墓じまいは、現在あるお墓を解体・撤去して更地にし、その使用権を墓地の管理者に返還する費用と、墓じまいを行った後は、元のお墓から出したご遺骨を、別の場所もしくは別の形で供養する費用が有ります。

お墓じまいの法律

お墓は、民法で定められる「祭祀財産」に該当し、祭祀財産の継承者を決めなければなりません。そして墓の維持、管理、周忌やお盆、彼岸などの法要祭祀にかかる費用は、その継承者(祭祀主催者)が負担しなければなりません。 通常の財産であれば法律上で平等に分配されますが、経済的負担分は祭祀主催者のみです。つまり、お墓は相続者の経済的な負担となるものです。

一方、墓じまいは、祭祀民法では、相続後その祭祀財産を自由に処分できる規定も設けられています。

<墓じまいを選ぶ主な理由>

  • 墓の継承者がいない(結婚で家を出た 子供がいない)
  • 新しいお墓へ引っ越すために、これまでのお墓を撤去したい
  • 自分らしく自然葬を行い、自然に還りたい
  • 高齢で墓掃除、お墓参りなど墓の管理が大変
  • 墓維持や祭祀費にお金がかかる(お布施、来客時のおもてなしなど)
  • 先祖代々のお墓との宗教観や考え方の相違

墓じまいに関わる費用

お墓じまいに関する費用は主に以下の3つの部分から成り立っています。

費用項目費用の目安備考
1.墓石の撤去・解体工事1平方メートルあたり約10万円墓石の大きさや材質によって変動
2.閉眼供養3万円から10万円宗教や宗派によって変動
3.離檀料数万円から数十万円寺院や宗派によって変動
その他の費用数千円単位埋葬証明書の発行や遺骨の郵送料など
  • 費用削減お墓じまいの費用は、主に閉眼供養と離檀料によって変動しますが、大きな費用削減を期待するのは難しい場合が多いです。

  • 石材店への一括依頼全手続きを石材店に依頼することで、手続きの煩雑さを避けるだけでなく、お墓じまいの全体費用を事前に把握することが可能になります。

  • 補助金制度の活用一部の自治体では、お墓じまいに対する補助金制度が設けられています。適用条件を満たせば、墓石の撤去費用の補助を受けることができます。この情報は石材店で教えてもらえることがありますが、自治体による墓じまいに関する取り組みもあるため、直接自治体に確認するのも有用です。

費用削減はお墓じまい後

お墓を撤去し、更地に戻す作業にかかる費用の削減は限られています。しかし、費用削減の鍵となるのは、新しい納骨先(改葬先)の選択です。納骨先によって費用が大きく変わるため、遺族の予算や都合に合った選択が重要です。

遺骨の新しい 移転(改葬)先は、樹木墓地・合祀墓(合同墓)・散骨・自宅墓など多様化しております。

※ 遺骨先と費用相場

納骨先費用相場
永代供養墓10万円~150万円程度 (檀家有り)
樹木葬10万円から70万円程度 (管理費有り)
納骨堂10万円〜100万円程度 (管理費有り)

合祀墓・合同墓

5万円~30万円程度 (管理費なし)
散骨5万円~30万円程度 (費用費なし)

お墓じまいを経済的に行いたい場合は、なるべく合祀墓・合同墓・散骨を選ぶと、継続的な費用も無いため有利です。 以上の点を考慮し、具体的な納骨先を選択する際には、その施設の詳細な条件と規定を直接確認することが重要です。

※ 合同墓や合祀墓に関しては、継続管理費用がない場合が多いですが、施設によっては小額の維持費が発生することもあります。散骨には様々な種類(海洋散骨、山野散骨など)があり、それぞれの種類によって費用が異なることがあります。

まとめ

経済的な、お墓じまいを考える際、特に合祀墓、合同墓、散骨を選択するケースでは、複数の遺骨を一緒に埋葬するか、自然に還る選択肢があります。これらの方法は、遺骨を共に埋葬することで、土地の使用を最小限に抑えつつ、故人を偲ぶことができます。また、自宅墓や手元供養墓で少量の遺骨を保管する選択肢もあります。これにより、ご家族がいつでも故人を身近に感じることができるようになります。

お墓じまいの相談については、地元の石材店が有用な情報源となります。石材店は費用面や手続きの詳細について詳しく、各家族の状況や予算に合わせたアドバイスを提供してくれます。また、地域によっては補助金制度や特別なプログラムが設けられていることもあるため、これらの情報も併せて提供してくれることがあります。そのため、お墓じまいを検討している場合は、まず地元の石材店に相談することをお勧めします。

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