大切な人を失った悲しみ(グリーフ)に、一人で立ち向かわなくていい。
デジタルツールが、あなたのグリーフの旅に寄り添います。
1960年代にアメリカで始まったグリーフケアは、いまデジタルツールと組み合わせることで新たな段階へ進化しています。本記事では、グリーフケアの基本から、追悼サイトを活用した具体的なサポート方法までを解説します。
悲しみに寄り添うデジタルの力。
「グリーフ」とは、悲しみ・悲嘆・死別と訳されます。配偶者・両親・子ども・大切な仲間を失ったとき、深くどうしようもない悲しみに襲われます。この時期に「悲観のプロセス」と呼ばれる情緒的・身体的反応が生じます。
この反応を軽減するための遺族への援助が「グリーフケア」です。グリーフケアは「悲しみを自分が受け止めるプロセス」をサポートするもの。外部のサポートで悲しみが消えるわけではなく、「自分がその悲しみと一生涯向き合っていく」ことを前提に、そのプロセスを支えます。
💡 グリーフケアの基本3原則
①「悲しみに向き合うこと」 ②「未来の目標を明確にすること」 ③「必要に応じ専門カウンセリングを使うこと」——この3つが柱となります。
死生学第一人者アルフォンス・デーケンによると、以下の12のプロセスが生じるとされています。すべてが出現するわけではなく、順序が入れ替わったり複数が重複することもあります。
| 心身の状態 | 具体的な症状・説明 |
|---|---|
| 1精神的打撃と麻痺状態 | 思考の低下などの生体防御的ストレス反応、心が麻痺している状態 |
| 2否認 | 死という事実を認めない。「きっと何かの間違い」という否認 |
| 3パニック | 悲観の初期症状、極端なパニック状態 |
| 4怒りと不当感 | 「なぜ私だけがこんな目に」という怒りと不当の感情、混乱、絶望感 |
| 5敵意と恨み | 医療従事者や身近な介護者へ向けられる敵意、恨み |
| 6罪意識 | 「生きているうちにもっとこうしておけばよかった」という罪意識 |
| 7空想形成・幻想 | 空想の中で故人がまだ生きているかのように思う |
| 8孤独感と抑鬱 | 葬儀後に非常に強烈な孤独感に苛まれる |
| 9精神的混乱と無関心 | 生活目標の喪失、あらゆることへの無関心 |
| 10あきらめ・受容 | 少しずつ現実に向き合うようになる |
| 11新しい希望 | 悲観の苦しみからの希望の光——笑いやユーモア |
| 12立ち直りの段階 | 新しいアイデンティティーの獲得へ |
📌 記念日反応について
誕生日や命日、故人との特別な思い出の日に感情の起伏が激しくなる「記念日反応」も、グリーフの自然なプロセスのひとつです。
一人ではどうすることもできない悲しみを感じるとき、専門家と話すことを選びましょう。欧米では、グリーフケアをスタートする前に専門家との「グリーフカウンセリング」を行います。1対1や少人数グループで、近年はオンラインでも受けられます。
あなたにカウンセリングが必要かどうかは、「グリーフケアのカウンセリングを検討する5つの理由」を参照してください。
1対1セッション専門家と個別に向き合う、最も深いサポート形式
グループセッション同じ悲しみを持つ人々と分かち合う場
オンラインカウンセリングZoom等を使い、場所を選ばず受けられる
家族・友人とともに身近な人をカウンセリングに同席させることも有効
近年のデジタル化によりグリーフの旅をサポートするツールが増えています。ここでは、世界70万人が使う追悼サイト「想いでサイト」について紹介します。
追悼サイトは、亡くなった人を追悼するウェブ上の空間です。無料で誰でも簡単に作成でき、「仮想空間上の思い出の場」としてグリーフケアに活用されています。
故人への心温まるメッセージや思い出写真を、デジタルの場で自由に表現できます。
信頼できる方々と一緒に故人への想いを共有。悲しみからの心の解放につながります。
故人への報告や想いは永遠に保管され、あなたと故人の歴史を後世へ伝えます。
素直に悲しみを表現する場として、故人のウェブサイトというデジタルの場は有効です。愛する故人への心温まるメッセージ・思い出の写真・エピソードを通じて、気持ちに立ち向かうことができます。
夫や妻・友人・親戚と故人のウェブサイトをシェアできます。未公開版から徐々に共有範囲を広げることも可能。直接言えないグリーフの旅を、信頼する方々と一緒に歩めます。
変えることのできない過去ではなく、目の前のことに集中する目標を設定し故人に報告しましょう。故人のウェブサイトでの報告は永遠に保管され、あなたと故人の歴史を後世に伝えます。
少子高齢化・核家族化・コロナ禍で、寄り添う人の存在が希薄化しやすい時代。従来の対面式とデジタルツールを組み合わせながら、自分なりのグリーフの旅を始めましょう。