電子墓誌とは

電子墓誌(でんしぼし)は、従来の墓誌碑に代わり、故人の記録をデジタルデータとして永続的に保存・継承する新しい供養のシステムです。費用を抑えながら、多様な形態のお墓での利用できる、その仕組みとメリットを解説します。

電子墓誌の特徴と仕組み

電子墓誌は、墓前に設置された小型のステンレスまたは石板プレートに、QRコードやICチップ(NFC)を組み合わせたかたちで設置されます。

  • スマホでアクセス:QRコードを読み取ることで、故人の情報や記録ページの閲覧が可能です
  • 情報の更新が可能:後からの編集や追加にも柔軟に対応します(特許出願済)
  • 長期保存に対応:特許出願済の保存技術により、データの設計寿命は百年以上を想定しています
保存可能な情報

石の墓誌では刻める情報が限られていますが、電子墓誌では以下のような情報が追加可能です

石の墓誌で刻める内容
電子墓誌に追加できる情報

戒名、命日、施主名など

戒名、命日、施主名
遺影、写真、家系図、
功績、メッセージなど

電子墓誌の5つのメリット

  1. 供養対象が明確に: 樹木葬や合祀墓など、物理的に名前を刻めない形式でも、記録を明確に示します。
  2. 先祖史の継承: 続柄、写真や動画などを通じて、先祖や故人の歴史を後世に確実に伝えられます。
  3. リモート供養: 遠方にお住まいの方や体の不自由な方でも、スマートフォンから手軽に供養が可能です。
  4. 老朽化・災害への備え: データ墓石が破損・老朽化しても、大切な記録が失われる心配がありません。
  5. おはか案内: 地図情報と連携することで、お墓の行き方をスマートフォンで簡単に案内できます。

活用シーンと経済的な利点

電子墓誌は、以下の多様な供養形態に後付けで設置でき、限られたスペースを有効活用できます。

  • 樹木葬
  • 合祀墓・合同墓
  • 永代供養墓
  • 慰霊碑
経済的メリット
  • 費用が安価:  墓石への彫刻と比べ、導入費用を大幅に抑えられます(例:故人1名あたり数千円から)
  • 管理コスト低減:  案内コスト削減に加え、遺骨のQRコード管理で、管理業務の効率化に貢献します。
  • 情報の一元化:  墓地・霊園管理において、お墓の場所、供養記録、遺族コミュニケーションを一元化し、運営の負担を軽減します。

合葬埋蔵施設での利用

合祀墓や合同墓では、物理的に個人の名前が残らないこともあります。電子墓誌は、これを補う機能として利用できます。

  • 個別供養の場の提供:誰が眠っているのかを明確に伝えるデジタル記録が、遺族の祈り場を作ります。
  • 永代供養の実現:子や孫がいなくても、霊園・寺院側で供養の記録を永続的に保存することが可能です
  • 祈りの場に集約:一つのQRコードから、埋葬されたすべての人の記録にアクセスできます。