― 落ち着いたら行う届け出と手続き ―
電気・ガス・水道の契約者変更手続きは、相続の場合は電話やインターネットでできます。故人の口座は使えなくなるため、口座振替を利用していた場合は支払方法の変更手続きが必要です。
| 契約者の変更 | 電話やインターネットで可能 |
| 口座振替の場合 | 支払方法の変更手続きが必要/必要書類を入手/銀行印を押す |
故人の携帯電話の契約は、引き継ぐことも解約することもできます。引き継ぐ場合と解約する場合で必要書類が異なるため、事前に確認しましょう。解約日までの料金が請求されますので、すみやかに対応することが重要です。
| 携帯電話 | 相続関係書類・本人確認書類・SIMカード・支払い手続が必要/SIMフリースマホはログインIDとパスワード |
| インターネット | 回線とプロバイダーの2契約あり/定額有料サービスも確認/ログインIDとパスワードを探すことが鍵 |
NTTの固定電話は「電話加入権」という財産の相続となります。戸籍謄本などとともに郵送で手続きでき、少額ですが相続税を支払う必要があります。
故人の運転免許証は、最寄りの警察署などで返納手続きを行います。本人確認書類の役割があるため、悪用を防ぐためにもきちんと返納しましょう。
| 返納手続 | 最寄りの警察署/故人の運転免許証、死亡が確認できる書類、届出人の身分証明書が必要 |
| 未返納の場合 | 期限が来ると自動的に失効/本人確認書類としての悪用を防ぐため返納が望ましい |
最寄りのパスポートセンターなどへ返納します。偽造や悪用を防ぐためにも返納が望ましいです。故人のパスポート、死亡が確認できる書類が必要です(有効期限切れの場合は不要)。
クレジットカードの返却手続きはカード会社により異なるため、電話で確認しましょう。カードの未払金は、原則として相続人が支払う必要がありますので留意してください。
マイナンバーカードや通知カードは、持ち主が亡くなられても市役所などに返納する必要はありません。ただし相続手続きで個人番号の提出を求められる場合があるため、諸手続が済むまで保管しておきましょう。
葬儀を行った喪主等に「葬祭費」が支給されます。金額は加入していた制度や住んでいた場所によりますが、3〜5万円程度です。
| 提出先 | 故人が住んでいた市区町村役場 |
| 申請者 | 葬儀を行った喪主等 |
| 必要なもの | 申請書、葬儀にかかった領収書、印鑑 |
| 期限 | 葬儀の翌日から2年で時効 |
| 手数料 | なし |
会社員などの被保険者が亡くなったときは、一律5万円の埋葬料が支給されます。退職後3か月以内に亡くなったときも支給され、被扶養者が亡くなったときは家族埋葬料5万円が支給されます。
| 提出先 | 故人の勤務先の管轄協会けんぽ(年金事務所)または健康保険組合 |
| 申請者 | 故人に生計を維持されていて埋葬を行った人(該当者がいない場合は埋葬を行った人) |
| 必要なもの | 申請書、埋葬にかかった領収書、印鑑、(代理人申請の場合)委任状 |
| 期限 | 埋葬料:死亡日翌日から2年/埋葬費:埋葬を行った日翌日から2年で時効 |
がんなどの治療で入院されていた場合、高額の医療費がかかります。高額療養費制度は、同一月(1日から月末まで)の医療費の自己負担額が高額になった場合、一定額を超えた分が払い戻される制度です。本人の死亡後にも請求できます。
| 提出先 | お住まいの市区町村/協会けんぽ/健康保険組合 |
| 申請者 | 相続人など |
| 必要なもの | 高額療養費支給申請書、病院などの領収書、故人との続柄がわかる戸籍謄本 |
| 期限 | 診療月の翌月から2年以内 |
| 所得区分 | 1か月の負担の限度額 | 多数回該当 |
|---|---|---|
| 標準月額報酬83万円以上 | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
| 標準月額報酬53〜79万円 | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
| 標準月額報酬28〜50万円 | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
| 標準月額報酬26万円以下 | 57,600円 | 44,400円 |
| 住民税非課税・生活保護世帯 | 35,400円 | 24,600円 |
世帯で複数の方が同じ月に医療機関を受診した場合は世帯合算でき、直近12か月に4回以上自己負担額を超えた場合は多数回該当で負担額が軽減されます。
確定申告の必要な方が亡くなると、相続人や包括受遺者は、亡くなった方の代わりに「準確定申告」を行う必要があります。高額の医療費を支払っていたときなど、準確定申告により税金が戻る場合もあります。
| 提出先 | 故人の納税地(住所地)の所轄税務署 |
| 申請者 | 相続人、包括受遺者 |
| 対象期間 | 1/1から死亡日までの本年分/(3/15までに亡くなり前年分未申告の場合は前年分) |
| 必要なもの | 準確定申告書、確定申告書付表(相続人複数の場合)、源泉徴収票、支払証明書など |
| 提出期限 | 相続の開始を知った日の翌日から4か月以内 |
| 留意点 | 通常の確定申告とは期限が異なる/税金の還付が受けられる場合がある |
| 必要なケース | 事業所得・不動産所得がある/2か所以上から給与をもらっていた など |
| 税金が戻るケース | 多額の医療費を支払った/各種控除を受ける など |
亡くなった方の事業を引き継ぐと所得税の確定申告が必要です。青色申告には税制上のメリットがあるため、検討する価値があります。
| 特別控除 | 青色申告特別控除(帳簿の種類により最高65万円) |
| 家族給与 | 家族へ支払った給与が経費になる |
| 事業の経費 | 自宅を仕事場として使ったことが証明できれば家賃などが経費になる |
| 赤字の繰越 | 赤字を3年間繰り越しできる |
相続では亡くなった方の青色申告は引き継がれません。事業を引き継いでから青色申告をする場合は「青色申告承認申請書」を提出しましょう。
| 提出先 | 相続人の納税地(住所地)の所轄税務署 |
| 提出期限 | 1/1〜8/31に亡くなった場合:死亡から4か月以内/9/1〜10/31:その年の12/31まで/11/1〜12/31:翌年2/15まで |
| 留意点 | 相続する人がすでに青色申告をしている場合は不要 |
配偶者が亡くなると当然に婚姻関係は解消されますが、配偶者の親族との姻族関係は継続されます。姻族関係終了届を提出すると、配偶者の親族との姻族関係を終了させ、扶養義務などがなくなります。残された配偶者が単独で届出でき、配偶者の親族の同意は必要ありません。
| 提出先 | 残された配偶者の本籍地または住所地の市区町村役場 |
| 届出人 | 残された配偶者 |
| 必要なもの | 届出書、戸籍(除籍)謄本、届出人の身分証明書、印鑑 |
| 提出期限 | 配偶者の死亡届提出後ならいつでもよい(期限なし) |
| 留意点 | 子と亡くなった配偶者の親族との関係は継続/亡くなった配偶者の親族側からは提出できない |
姻族関係終了届により姻族関係が終了しても、戸籍はそのままで氏(姓)は変わりません。旧姓に戻す場合は別途「復氏(ふくうじ)届」を提出します。子の姓を変更するには「子の氏の変更許可申立書」を家庭裁判所に提出しましょう。
第2部では、生活インフラの解約から税務、姻族関係の整理まで多岐にわたる手続きを解説しました。手続きごとに期限が異なるため、リストを作成し、期限の早いものから順に進めていくことが大切です。第3部では、より専門的な「年金などの手続き」について解説します。
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